第59回よさこい祭り

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今年のよさこい祭りは、残念なニュースから始まったと言わざるを得ません。出場チームが過去最大の198となり（当初の数、最終的には197）、追手筋の出場順も決まった頃、人気チーム「十人十彩」の元代表でチーム責任者の病院経営T被疑者（当時、8月現在は被告^※）が、高知県警察に恐喝未遂容疑で逮捕されてしまったのです。この件は、NHK高知放送局と高知新聞のインターネットの記事で知りました。 折しも、高知県でも暴力団排除条例が施行されたことを受け、今年からよさこい祭振興会が参加チームに暴力団やその関係者がチームに含まれないことを誓約させることにしたばかりでした。
なお、よさこい祭振興会は今年から暴力団との関係が無いことを誓約する書面の提出をチームに求めましたが、来年から、チーム責任者が暴力団との関係が無いか警察に照会することにするそうです。 いずれにしても、「十人十彩」で踊る予定であった方々や、その演舞を楽しみにしていた市民のみなさんにとって、大変残念な結末になりました。今後、このような事件が繰り返されることの無いようにしてほしいものです。

※【追記】逮捕の被疑事実によって「十人十彩」がチームとしての責任を問われたのではなく、T被告が暴力団関係者と同席していたことが問題となっています。なお、2013年4月18日に高知地方裁判所でT被告に恐喝未遂について無罪の判決が言い渡されました。その後、この判決は確定しています。（平成24年(わ)第226号）

また、今年から祭りの運営方法も変わっています。上記の暴力団排除の方針もそうですが、追手筋本部競演場の出番の決め方も変わりました。昨年までは、抽選で出番をひいた後、チーム間の直接交渉で出番を“交換”することが行われていました。これは、本部競演場での審査を有利にしたいとか、いろいろな思惑があったのかも知れません。今年からは、この“交換”を認めず、抽選での一発勝負になりました（ただし、幼少者の参加者が主体のチームは出番の最初になるよう配慮されています）。
さらに、今年から「はりまや橋演舞場」が「はりまや橋競演場」に変更になりました。10箇所の競演場と7カ所の演舞場でよさこい祭りが開催されることになります。逆に、「知寄町競演場」は今年で最後となりました。

さて、そのよさこい祭りですが、私は例年通り9日に高知入りしました。天気予報が思わしくなく心配していたのですが、残念ながらその予想はあたってしまいました。それでも、9日の前夜祭は何とか本降りの雨が降らず、昨年受賞チームが思いっきりの演舞を見せてくれました。この前夜祭によって、その年のよさこい祭りがどうなるのか、占うことができます。今年の前夜祭の各賞発表で、「旭食品」がグランプリに選ばれたときは、会場から何とも言えない声があがりました。今年は一波乱ありそうです。
（写真左／中央公園で演舞を披露する「逢 KDDI高知支店」）

翌日の本番は、例年通り追手筋に陣取りました。太陽の光は強くないものの、湿度が高いので油断できません。スタンバイ時に「カメラマンが倒れんようにせんといかんねぇ」などと声を掛け合いながら、祭りの開始を待っていました。最初の子どもたちのチームが追手筋をやってくると、いろいろな面倒なことも吹き飛びます。やっぱり、子どもが笑って祭りに参加できるって素晴らしい。そんなことを考えているうちに、チームが次々とやってきます。なるべく撮り漏らしの無いようにといつも注意しているのですが、残念ながら1チーム当たりの撮影できる時間は2〜3分というところです。ヘタをすると「行っちゃった」ということもあります。じっくり撮れるのはステージ形式の演舞なのですが、やはり、よさこい祭りは前進する踊りなので、ここは外せません。幸い、昼の部は雨が降ることも無く、無事に終了しました。
その後、夕食をとって追手筋に戻りましたが、直後から雨が降り始めました。しかも止む気配はなく、だんだん激しくなってきます。撮影をあきらめて、いったん引き揚げることにしました。そのまま待機していたのですが、追手筋の演舞が雷雨で中止になったという情報を得ました。ちょっと記憶に無い事態です。天気予報をチェックすると、翌日も雨マークです。天気の心配をしながら、WWWページの更新をしました。

本番2日目は、朝から雨でした。「こりゃ無理かな」と思っていましたが、お昼過ぎに雨が止みました。予定通り追手筋で撮影を始めましたが、幸いなことに雨に悩まされることはありませんでした。昨日の各競演場・演舞場での演舞中止で消化不良気味だった踊り子さんたちにとっても良かったです。
ところで、今年のよさこい祭りの“色”は「緑」かも知れません。「帯屋町筋」の衣装も緑でしたし、ピンクなどの暖色系が特長的だった「上町よさこい鳴子連」も緑のストライプでした。毎年変わるこれらの傾向とともに、よさこい祭りが記憶されていきます。また、今年の参加チーム数は197ですが、そのうち59が県外からの参加となっています。3割が県外という比率ですので、県外チームの存在がよさこい祭りに欠かせない状況になっています。ちなみに、初参加チーム数は15でした。
（写真右／追手筋で演舞する「浜っ子☆弾☆DAN」）

最終日の後夜祭・全国大会も雨に泣かされることになりました。それでも、開始のころは薄日も射していました。追手筋にはたくさんの人が集まっています。これは、東京ディズニーリゾート・スペシャルパレードがお目当てのみなさんで、小さなお子さんもたくさんいらっしゃいました。それに続いて、本番で受賞したチームと、全国各地から集まったチームが演舞を見せてくれます。私も撮影をしていたのですが、残念ながら途中から雨が降り出し、10日に続いて撤収と相成ってしまいました。
雨はその後も強くなったり弱くなったりを繰り返し、止む気配がありません。ひょっとすると後夜祭が中止になってしまうのではないか、そんな雰囲気でした。それでも雨の中、中央公園で開始を待っていました。幸い、演舞開始直前に雨が止んで、受賞チームの最後の舞を見ることができました。後夜祭では、チームの演舞を最初から最後までじっくり堪能できます。改めて、音楽や振り付けが「こうだったのか」 と見直すことになります。
後夜祭は途中雨が一時的に激しく降ったりしましたが、最後の「とらっく（（社）高知県トラック協会）まで無事に演舞を終了しました。
（写真左／中央公園で演舞する「だるま」）

さて、来年は節目となる第60回を迎えます。写真撮影の規制がますます厳しくなったり、祭りの運営方法が変わったり、参加者の意識が変わったりと、まさに変化し続けるよさこい祭りは世相を反映しているなぁと感じさせられます。このよさこい祭りで、参加する人、市民のみなさん、そして観衆のみなさんが楽しめて、さらには、この祭りの目的の一つである経済の活性化に寄与しつつ発展することを願っています。

第59回よさこい祭り日程

第59回よさこい祭り（高知）／踊り子募集情報2012

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